runrun’s diary

初めまして、横浜市内の整備工場で5年間整備士を務めている者です。

20アルファードハンドル異音修理

皆様いかがお過ごしでしょうか

横浜市内の整備工場に勤めている2級(流)自動車整備士です。

本日は20アルファードのハンドルの異音を点検しました

お客様のご用命は

「走行中、少し凸凹した道を走っているとハンドルからガラガラと異音がする。」

実際にお客様と同乗させていただき、ご一緒に音を確認していきました

お客様のおっしゃる通り、凸凹した道では速度に関係なく、室内より異音と共にハンドリに振動も伝わってきていることが確認できました。

 

ここで容疑者を絞っていきます

 

ハンドル周りで室内から異音が聞こえて来るので、ステアリングホイールより下のステアリングコラムとインタミシャフトが怪しいのですが、その先は室外にあるステアリングボックスに繋がっているので、ステアリングボックスも容疑者リストに入れておきます。


ここまで絞れば簡単です

全部交換しちゃえば確実に異音が消えると思いますが

それじゃ、かなり高くなりますので、

黒マルの2点のみ交換して様子見ます

この件の異音は20アルベルによく発生される異音です

自分の経験上、長い方を交換して治るケースが多いです

ですが、いちいち部品発注していると納期が長引くし、お客様の印象も悪くなりがちですので、怪しいと思った部品が安いなら自分は発注しちゃいます

 

部品が到着し、交換して異音は解消されました

 

バッテリ上がりの原因

皆様いかがお過ごしでしょうか

横浜市内の整備工場に勤めている2級(流)自動車整備士です。

本日は自動車の12Vバッテリ上がってしまう原因を語っていこうと思います

・ヒューマンエラー

かなりの確率でヒューマンエラーが原因でバッテリが上がってしまいます。

半ドアで室内灯が付いたままに気づかずに車から離れた、

室内灯の消し忘れ、

ロービームor車幅灯の消し忘れ、

などなど色々あります。

個人的に思うのは、自動車は人間が作り出してるから、消し忘れも考えられるのであれば、機械的に防げることはできないかと考えたりしてます。(考えるだけです)

 

・故障

バッテリの寿命はだいたい3〜4年前後と個人的に考えております。

それ以上は使えるものは使えるのですが、正直時限爆弾みたいなもんです。いつ寿命が来るかわかりません

seibi-rungi.hateblo.jp

別のブログでも書いてあるのですが、しっかり点検して下さい

 

バッテリが元気でもオルタネータ(自動車の発電機、エンジンかかっている間は常にバッテリに充電しています)が死にかけていたらバッテリも殺されてしまいます。

オルタネータの点検で無負荷時(全ての装置がOFF)と過負荷時(エアコンAC ON MAX LO、ハイビーム点灯時)の両方点検しないといけないのですが、いい加減な工場は簡易な無負荷時の点検で良好と判断しちゃいます。

「点検したのに壊れた」って言っても、店側はいろんな言い方で逃げていきますので、

店選びの大切です。

 

車は計画的に整備していくことが大切です

計画的にです

 

 

 

200系ハイエース フロントブレーキローター交換

皆様いかがお過ごしでしょうか

横浜市内の整備工場に勤めている2級(流)自動車整備士です。

 

本日は200系ハイエースのフロントブレーキパッドとフロントブレーキロータの取替です

みんからとかみるとナックルを外している方もいました。

本日ローターを交換する理由はこちらです。

タイヤを外したらブレーキパッドの台座が脱走してました!!!

これで自走で入庫するのはワイルドですね!!

 

外していきます

・ブレーキキャリパ上下14mmのボルトを外します

・ブレーキパッドを外します

・キャリパーのマウンティングを外します

乗用車であればここでローターが取れます

ハイエースはナックルに裏からボルト4本で止まっています

・ナックル裏の17mmのボルト4本を少しだけ緩めます

ローターはナックルに圧入されているので、ボルト外しても簡単に取れません

なので、バーナーでナックルを分子単位で大きくします。鉄なので温めると膨張します。

5分以上温めます

充分温めたと思ったら、中途半端に緩めたボルトの頭を細長いものを介してひたすら叩きます

そうすると、バックプレートが遊び、さらに諦めずに4本均等に叩き続けるとローターが落ちてきます。受け取って下さい、ベアリングが入っていますのでなるべく床に落とさないでください。

ボルトの頭を叩くので、事前に新品のボルトを4本買っておいた方がお勧めです

ホームセンターにも同サイズのボルト売っている可能性がありますが、柔らかいので、叩かれて壊れる可能性が大きいです。おとなしく純正品を叩いた方がいいかもです

ローターが取れた後のナックルです

すっきりしますね

外れたローターです。

赤マルがベアリングです

黄マルはベアリングにローターが止まっています

・ローター単体を交換しますので、6本の14mmのボルトを外します

・ベアリングからローターを外すのは少し手間が必要ですが、頑張って解説します

①ハブボルトをしたにします

②黄色矢印のようにベアリングとローターの位置を合わせます

③ローターを傾けて先に黄色矢印の二箇所を脱出させます

④次に緑矢印の二箇所を脱出させます

⑤慎重にやればきっとうまくいきます

⑥外せたら忘れないうちに新品を取り付ける

⑦6本のボルトを固くしめる

新品に取り替えたローターを戻していく前に

忘れがちのバックプレートの位置を確認

赤マルをバーナーで5分以上温めます

火傷しないように4本のボルトをナックルに差し込んで準備完了

冷えないうちに、ローターASSYを戻すのですが、

ローターをナックルの穴に差し込みながらボルトをネジ山に噛ませる努力をします

熱いうちはスポッて入っちゃいますが、冷めちゃうと調整が効かないので、器用に入れながらボルトを噛ませることをします

・うまくローターASSYがハマったらボルトを固く締め付けします

あとは

外した順に戻していきます

たまにバックプレートがブレーキローターにあたって、回すとめっちゃうるさい音がします。

必ず、タイヤつける前にブレーキローターを手で回してみて下さい

あたってたら、バックプレートを奥にグッて押せばおk

 

器用さと力強さが必要な作業になります

ジャッキアップで交換される方は無理しないでください

お二人いた方が同時に作業できたりするので作業効率がいいかもです

2人でリフト作業で3時間ほどで終わりました

 

 

 

スパークプラグが折れてしまった

皆様いかがお過ごしでしょうか

横浜市内の整備工場に勤めている2級(流)自動車整備士です。

 

エンジンの修理が終盤に入り、スパークプラグを取り付けます。

スパークプラグをエンジンに入れてプラグソケットにエクステンションバーを介して、ラチェットハンドルで締め付ける。

がその時、言葉で説明がつかないような感覚が手に走り、いつもと違うなと思いました。

(頑張って説明してみると、工具を回すと「ゴリゴリ」って金属同士が摩擦し合う感じがそのまま手に伝わり感じ?)

 

工具を挙げてみると、↓

ご覧の通り、左側のプラグはネジ山が無くなっちゃってます。

そうです、ネジ山だけエンジン側に残っちゃってるんです。

 

あー、エンジン開けないと取れないのかなーとヒヤヒヤしながら、

1流整備士の方に相談しました。

 

逆タップという工具を使えば外せるよと言われました。

調べてみると、逆タップは頭の折れたボルトを外すために、残ったネジに穴をあけます。

その穴に逆タップを使い緩められるという優れものです。

 

スパークプラグのねじ山部分だけがエンジンに残っちゃってるので、真ん中に穴が空いてます。ロングノーズプライヤでその穴のサイズに合う逆タップを挟んで回します。

そうすると、そんなに力入れなくても、引っかかってくれます。あとは抜けるまでひたすら回します。

↑取れました!!

 

これで安心してひと息!!

本当に助かりました。

 

同じように、スパークプラグが折れて方、諦めずにアストロにいって逆タップっていうのを探してやってみて下さい。意外と簡単に外れます。

こちらが逆タップです。

いろんなサイズが入っています。

 

(みんな知っていたら、少し恥ずかしいですね...)

 

プジョー5008(R1年式) リアブレーキパッド交換

皆様いかがお過ごしでしょうか

横浜市内の整備工場に勤めている2級(流)自動車整備士です

 

本日はプジョー5008(令和1年式)

のリアブレーキパッド交換になります

たかがブレーキパッドの交換でブログ書くのって思われる方いらっしゃらないと思いますが、電動パーキングならではの交換方法がありますので、プジョーを題材に本日は写真混じりに書いてみます

 

ブレーキの構造がイメージできれば分かりやすいのですが、電動パーキングブレーキが付いてるほとんどの車はブレーキキャリパーのピストンにモーターがプラスされたような仕組みです

 

電動パーキングでない車では(一部車種を除きます)フットブレーキはパッド、サイドブレーキはシューがほとんどだと思います。が、今時の電動パーキングはフットブレーキと共用がほとんどです

 

なので、ブレーキパッドの交換はコンピュータにアクセスして電動パーキングをフル解除させないといけません

 

さて、

プジョー5008のOBDコネクタを探すところからいきます

大体運転席の足元にあります

プジョー5008は

膝元のカバーを外していきます

そしたら、緑のコネクタが見つかりました

そこに診断機を差し込みます

診断機の設定といたします

ウチの会社で使用するのは THINKTOOL です

メンテナンスリセットをクリック

この中ではさまざまなメンテナンスをリセットできます

今時(かわかりませんが、)のドイツ車は12Vバッテリを交換する時は新しいバッテリの性能情報を入力しないといけません。日本車ばっかりいじっていた自分からするとびっくりです

ブレーキパッドのリセットをクリック

 

なんか相性が合わないのか、「右リア電動ブレーキキャリパーの交換」をクリックしても反応なし、

電動ブレーキキャリパーの解除をクリックしたら、モーターがウィーンと鳴り出しました

が、メーター内からたくさんシステム異常の表示が出てしまいました

とりあえず、ブレーキパッドを交換します

交換作業の写真ないのはごめんなさい

ウイーンと鳴ってもピストンは押さないと下がりません

まず軽く押してしっかり下がるかを確認します

無理に押してしまうと壊れてしまいます

無事交換作業は完了しました

運転席のパーキングスイッチを押して無事作動し、チェックランプを消えました。

念の為、診断機でヘルスチェックをします

問題なし

試走行を行い、パーキングブレーキに関わる動作を作動確認します

例えば...

パーキングブレーキ効いている時にDレンジに入れてアクセルを踏むと自動的に解除されるか

エンジン止める前に自動的にパーキングブレーキを作動してくれるか

などなど

問題なければ納車可能です

分解整備なのでDIYで試される方はいらっしゃらないと思いますが

自己責任でお願いします

 

 

 

12ヶ月点検は必要??

皆様いかがお過ごしでしょうか

横浜市内の整備工場に勤めている2級(流)自動車整備士です。

 

本日は整備のネタがないので、

車検ではない法定点検の必要性を個人的な意見を入れながらお話ししていきたいと思います。

 

そもそも

自動車(乗用車)には2年ごとの車検があります

それ以外に1年ごとの、いわゆる12ヶ月点検もあります。ディーラーさんに通ってらっしゃる方はしつこくお勧めされていますよね。

 

「別に12ヶ月点検は法定点検っていってもやんなくても問題ないんでしょ?」

「それやる必要ある?」

「私あんまり走らないから12ヶ月点検はいいや」

 

とさまざまな意見の方々がいらっしゃると思います

 

私個人的な意見ですが...

12ヶ月点検は車お持ちの方はやっといた方がいいです。

 

なぜかといいますと

車屋さんが儲かるから...ではないです。

車の不具合を早期発見できるからです。

早期発見をすることで、自動車の不具合が原因で道中で止まってしまうという確率はかなり下がると思います。し、いざという時に車が壊れたってことも防げられると思います。

 

例えば

バッテリが上がってしまったり、

タイヤの偏摩耗でパンクしてしまったり、

空気圧が低くて燃費が悪くなったり、

エアコンフィルターが汚れてて臭ったり、

ワイパーのはけが悪くて雨天の視界が悪かったり、

冷却水漏れ、オイル漏れでエアコンから変なにおい

などなど

 

早期発見をすることで、

車が止まってしまう確率はかなり下がると思います。

JAFの出動率もかなり減少すると思いますし、

JAFの救助を待つ時間が一番無駄だと個人的に感じます。

 

さらに、新車をご購入されたユーザー様、定期点検をしないと新車時の保証を受けられない可能性だってあります。

「車買って2年半なのにここ壊れたんだけど!!!」

って言っても

「法定点検は実施されましたか?してなければ保証効きません。」

と冷たく言われるだけです

 

ので

皆様、12ヶ月点検に限らず、定期的に車を点検をしましょう!!

 

 

 

 

 

 

 

 

まさかのサーモスタッドの故障

皆様いかがお過ごしでしょうか

横浜市内の整備工場に勤めている2級(流)自動車整備士です。

 

本日はスズキエブリーのラジエーターの取替です。

 

ご用命として、冷却水が急に漏れ出し、エンジンの高温チェックランプが点灯していたとのこと

入庫時はラジエータの左側に冷却水の漏れた跡があったので、距離も距離で、しかもラジエータの交換歴がなく、物によってはラジエータやられてもおかしくないなと思い、ラジエータ漏れと診断。

 

ラジエータ取替後、エア抜きホースとエア抜きバルブを開け閉めなどしてエア抜きの作業を行なって。エブリーのような軽バンは冷却水のエア抜きがかなり大変なので慎重にやっていきます。

が、ファンが2回ほど回るまでしばらくアイドリングさせていた最中、エブリーから冷却水が噴き出してしまった。

 

もしやと思い、サーモスタッドの単体点検を行った。

サーモスタッドの単体点検は本体をポットに入れ、水を温めます。

メーカーによって異なりますが、

スズキ純正品であれば82°Cで開くようになっています(確かです)

開く温度は本体に記載してあります。

沸騰してしまうと正常なサーモスタッドでも壊れる場合があるので、水を沸騰させないようにじっくり観察します。

 

本日のエブリーは沸騰寸前では開かなかったです。

試しに沸騰させても開く気配がなかったです。

原因はサーモスタッドの故障により冷却水を沸騰させてしまい、サブタンクから溢れてしまったことがでした。漏れた跡はラジエータの漏れではなく、サブタンクから溢れたものでした。

お客様に丁寧に説明をし、サーモスタッドの交換をさせていただきました。

 

サーモスタッドの取替は簡単です

外した時と同じように取り付けるだけですが、サーモスタッド本体にエア抜きバルブがあり、それを上にしてつけないとエンジンが痛みます。

 

私はまだ経験が浅く、冷却水まわりではウォーターポンプの水漏れ、ラジエーターの劣化による水漏れ、がほとんどでした。サーモスタッドの故障は人生初で、学生の時はサーモスタッドについて学習しましたし、動作、機能については理解しています。が、実践ではなかなか出会わない故障でしたので、いい勉強になりました。

 

先輩整備士さんに話たところ

冷却水周りの作業はサーモスタッドとラジエータキャップは交換しといた方がいいよと話していただきました。

 

1級整備士は難しいので、1流整備士を目指して日々細かい作業もたくさん勉強できるのは楽しいです